先日、こちらのブログに、通りすがりのリケジョさんからコメントをいただき、コメント欄でやりとりさせていただきました。コメント欄に残しておくのはもったいないと感じたので、ブログの中でご紹介させてください。
selfmanagementforkids.hatenablog.com
通りすがりリケジョさんから一番はじめにいただいたコメントはこちらです。
難しい問題ですよね。
ただ
「好きな事(やりたい事)」と「出来る事」は別
と言う事は頭に入れておいた方がいいと思います。
…と言うのも毎年ウチのラボに入って来る院生の中にはドロップアウトしてしまう子が一定数いるからです。
彼(彼女)達は研究が「好き(やりたい)」で進学してきた子達がほとんどです。
ですが、いざ研究をやってみると「出来ない」んです。
最終的に彼らは
「自分は研究にむいてない」
とドロップアウトしていきます。
これは仕事に関しても同じかと思います。「好きなこと」と「出来ること」を考えながらまずは「好きなこと」から学部を選んで、学部に進んだら「出来る」かを考えながら学ぶのがいいように思います。
私からの返信はこちらでした。
通りすがりのリケジョ様
いつも的確なコメントをありがとうございます。
うーん、難しいですね。学生さんたちはそんなに研究の経験があるわけではないので、取り組んでみないと自分自身では「できるかできないか」の判断はつきにくいのかなと思います。
そして、はじめから「できない」と諦めてしまうことがいいことなのかどうかもよくわかりません。先生たちのサポートにも限界はあるので、ドロップアウトしてしまう子が一定数いることを、本人だけでなく、まわりも含めて理解しておくことが必要なのでしょうか。
これに対して、通りすがりのリケジョさんから、また返信をいただきました。
問題の1つは一斉入学や新人一括採用にあると思います。
そして、そこから派生する形で学び直しが難しいことにも問題があると考えています。
詰まるところ、大学や会社だけに限らずもっと柔軟性を持って多様性を受け入れればよいのにと感じています。
実際、ウチのラボには様々な国からの留学生がいますが、やはり考え方の違いなどから新たな視点で研究を進めたり検証ができたりというのもあるので。
ただ、「好きなこと」や「出来ること」を見つけるとっかかりとして座学での勉強だけではなく様々な体験を幼児期からすることは大切だと思います。
それが例え遊びであろうと。
ウチは学童で学童のお兄ちゃんお姉ちゃんや指導員さんに頼ってしまってますが(汗)
私からは、昨日の夜に、こちらを返信させていただきました。
通りすがりのリケジョ様
たしかに、入学の自由度がないことも問題ですね。先日のブログでも少し触れましたが、日本の入試制度の問題は多くの大学関係者が感じていながらも変えられていないところですね。
私も小さい頃は知識を身につけることよりも、たくさん遊んで、好奇心を育てたり、人間の幅を育てることがとても大切だと思います。学童で学べることって勉強ではないですが、たくさんありますね。娘は学童で6年過ごしたので、私なんかよりいろんなことをよく知っていてとても頼もしいです。
通りすがりのリケジョ様、貴重なコメントありがとうございました。
人生は長いです。
実は、もともとは今日は「バランスの良い教育ってなんだろう」というタイトルで、オンライン飲み会での最後の話題をご紹介する予定でした。その中では、幼少期の教育についてオンライン飲み会で大学の先生方と話した話を書く予定でした(今日は通りすがりのリケジョさんのコメントをご紹介したかったので、明日の予約投稿ブログに回しました)。
きっと、通りすがりのリケジョさんも、留学生なども含めて多くの学生さんたちを見る中で、「勉強だけではなく様々な体験を幼児期からすることは大切だ」と感じていらっしゃるのだろうなと思います。
オンライン飲み会で話した先生方も同様に、小学生ぐらいの間はのびのび過ごしたほうがその後の人生で”あと伸び”できるのではと考えていらっしゃる方が多かったように思います。ここで"あと伸び"と書いたのは、いい大学に入るとか、いい職業につくとか、そういうことだけでなくて、のびのびといきていけるのではないかということです。
今の小学生は忙しすぎると感じます。ちょっとかわいそうなほどです。忙しさゆえに立ち止まって自分で考えることをしていないのであれば、本末転倒ではないかなぁと思ってしまいます。
大学入試から逆算した場合に、勉強勉強と育ってしまうのだとしたら、それはみんなにとってきっと不幸な話でしょう。大学もAO入試など新しい方式で学生さんを入学させることにも取りくんではいますが、それでもやはり、多様な学生さんが入学できるような入試制度になっていないし、特に日本の大きな企業は十分多様な人を受け入れられる状態になっていないところが問題なのでしょうね。
以前、こちらのブログにも書いていますが、私の子育てのお手本は留学生なども含めたキラキラした目をして好奇心にあふれた学生さんたちです。ああいう子はどうやれば育つのか、そのためには幼少期をどう過ごせばいいのか、すごく考えます。
selfmanagementforkids.hatenablog.com
かれこれ20年以上大学生や大学院生を見てきた経験では、いわゆる旧帝大の賢い子であれ、私は初めて聞く大学の子あれ、目がキラキラしていて好奇心にあふれた子とは、その先も長く付き合うことになる場合が多いです。(大学や企業研究所に勤める子もいますし、一般企業に就職しても、かなり先行開発的なところに配属されて、学会を聞きにきたりしてくれて再会します)
学会などで地方の大学にお邪魔すると、1〜2名飛び抜けて目がキラキラしている子がいますね。きっと社会に出てどこに行っても元気にやっていくだろうなと、力強く感じる子です。私自身は聞いたことがない地方の大学から飛び出てきて、大学院から頭角を見せる子も少なくありません。
生きる力の強さを感じる子。
ああいう子はどうやって育つのか。
そんな子に育つのは、なかなか簡単ではないことはわかっています。
でも、私たちが生きた時代とこれからの子どもたちが生きていく時代は全然違うので、単なる学歴社会をお行儀良く乗り切っただけでは、子どもたちは到底生きていけないだろうといつも思います。
人生は楽しい、大人になるって楽しい、そんなワクワクの中で、ぐんぐん伸びる子どもたちがたくさん育って、日本の未来が明るくなるといいなぁと思います。
今日も読んでいただきありがとうございます。明日は、「バランスの良い教育って何だろう」というタイトルで、幼少期の子どもの教育について想うことを書きます。