昨日から、高校での勉強について書いています。
selfmanagementforkids.hatenablog.com
昨日のブログに、「中学での勉強と高校での勉強との違い」について、以下の2つのことを書きました。
- インプットも自宅でやらなければならない
- 授業の内容と受験の内容が必ずしもリンクしない
昨日のブログには、1について書いたので、今日は2について書いていきます。
2点目の「高校の授業の内容と大学受験の内容が必ずしもリンクしない」について。
中学受験をした方なら、「学校の授業と受験の内容が関係ない」ことは分かっていただけると思います。まったく関係ないかと言えばそういうわけでもないのですが、「学校で習う算数」と「中学受験問題の算数」は同じ算数でもほぼ別物と言っても良いほど違いがあります。
高校受験では、それが比較的同じでした。理科や社会など、定期テストと受験とでは出題のされ方が違う教科もありますが、それでもリンクはしていますし、何より公立高校を受験する場合は多くの地域で当日点に内申点が加算されるので、「中学校での勉強が高校受験にも影響」する状態だったと思います。
ところが、一般入試の大学受験となると、その様相が変わります(もちろん指定校推薦を狙う方は学校の成績が関係します。ここでの話は一般受験に関してです)。まず、美術科や音楽科でない限り副教科は受験科目には関係なくなります。また、主要教科に関しても、授業で習う内容が必ずしも受験に出ない場合も出てきます。
高校受験も「学校の授業さえやっていれば受験を乗り切れる」ということは決してないのですが、大学受験はその違いがさらに強くなるようです。
高校1年生の頃はまだ学校の授業に集中していても良いのですが、高校2年、高校3年と上がって行けば行くほど、そして一般受験を主眼としていればいるほど、「高校の定期テストは捨てて大学受験にフォーカスを当てて勉強する」ことが珍しくはないようです。例えば、カリスマ映像授業で有名な某予備校なんかはこの方針を取っていて、定期テストは捨てさせるという話をよく聞きます。
もちろん、学校の勉強も完璧にやりながら受験勉強もしっかりやる子もいるので、何が正解というわけではありません。
ただ、ここで言いたいことは、「高校受験と大学受験はちょっと違う」ことを親が理解しておくに越したことはない、ということです。「なんで学校の成績がこんなに悪いの、これでは〇〇大学には受からないよ」などというのは大間違いということです。高校での定期テストと大学受験はまったく別物なのですから。
高校受験の時には内申点が気になったけれど、大学を一般入試するなら高校の成績は関係ない、というのも大きいですね。教科によってメリハリつけて勉強していけばいいと思います。
「でも、総合型選抜(AO入試)なら内申点が関係あるんじゃないの?」と思われる方も多いと思います。
↑こちらのサイトにもありますが、内申点をどの程度重視するかはその大学の方針によってもさまざまではあるものの、個人的には、「内申点が高い方が受かる」というよりも、面接で人物像を見られたり、特色を持った子を合格させることに比重を置いた制度だと思います(あくまでも個人の想像です)。
例えば、ごく一例として、東京都立大学(首都大学東京から名前が変わりました)などは、さまざまな形の総合型選抜を採用しています。
2023年度の東京都立大の「システムデザイン学部 情報科学科」の出願資格はこちらにあります。
出願前に「国際情報オリンピック」の国内選考会で好成績を収めた者(「日本情報オ
リンピック」予選 A ランク者又は本選成績優秀者として表彰された者)又は「未踏I
T人材発掘・育成事業」もしくは「未踏ジュニア」に採択された者。
出願資格には、内申点は〇点でなければならないというようなことはなく、
- 「国際情報オリンピックの国内選考会」で好成績だったもの
- 「未踏IT人材発掘・育成事業」に採択されたもの
- 「未踏ジュニア」に採択されたもの
が条件とされています。
「未踏ジュニア」というのは、こんなプログラムです。
知らない人からしたら「未踏」って果てしなくハードルが高いコンテストのように感じるかもしれませんが、意外と身近なテーマが採用されていたりします。
例えば去年の未踏ジュニアのひとつ「調べ学習サポートアプリ」のプレゼンテーションはこちらです。プログラミングとしては、Googleの検索機能にガワをつけただけなのですが、高校生の目線で「確かにこれあるといいよね」というコンテンツのアイデアが評価されたのだろうと思います。
また、採択された方からの応募者へのメッセージがこちら。「申込書を書くだけで経験になるし勉強になる」ということが語られています。
このように、いろんな「体験」をしてきた生徒を大学は求めています。
未踏ジュニアについては「こんなのあったらいいのにな」というアイデアがあったら、それを素直に提案書に書いてみると意外と良いのかもしれません。
今年から必修になる「情報1」でもPythonは学びますし、「あったりいいな」のアイデアさえあれば、それを形にしていくサポートをしていただける環境は高校を含めていろんなところにあると思います。
なんだかいろいろ書きましたが、「どうやら高校受験と大学受験はずいぶん様子が違う」ことはなんとなく分かっていただけたでしょうか。
また、私たちが受けた「大学受験」と「今の大学受験」もまた大きく変わっています。「真っ向勝負で一般入試一択」だった時代から、幅広くいろんな人材を獲得するための入試制度に変わってきているのです。
もちろん今はまだ一般入試が大半ではあるのですが、冬ごろに大学時代の友人から「子どもがAOで(私たちの母校に)入学決まったよ。今はいろんな入り方があって大学受験の制度、難しかった。」と連絡をもらいました。
努力が重要だとか、コツコツやるのがすべてだとかいうのは、残念ながら昭和の化石の発想なのかもしれませんね。。。
まずは入試の形態にもいろいろあること、そもそも大学入試の問題(共通テストも二次試験も)と定期テストの問題は必ずしもリンクしないことを親はよく知る必要があるでしょう。
そして、うまくタイミングを見計らいながら子どもに情報提供しながらも、どんな道を歩みたいかは子どもに任せてみるのが良いのかなと思います。
少なくとも私の場合は、子どもの将来の仕事に直結するような重大事項にはまったく責任が持てないので、子どもの責任で決めてもらいたい(決めてもらわなくては困る)と思っています。
今日も読んでいただきありがとうございます。明日は大学の選び方について書きたいと思います。