昨日から、小学校最後の夏の「出し物披露」について書いています。
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娘の通うの学童は、父母が運営するいわゆる地域の学童です。例年はキャンプの夜に高学年が音と光の共演の出し物を披露します。長年続けている「夏の出し物披露」。子どもたちの心の成長になくてはならない存在になっています。
ところが今年は、新型コロナウイルスの状況の先行きが不透明な中、春の早い段階で、キャンプの中止が決定しました。それでも子どもたちは、これまで見てきた高学年の素敵な演技を、次は自分たちがやりたいと願い、キャンプ以外のどこかに披露できる場が設けられることを信じて準備を始めました。親も、キャンプの中止はやむを得ないとしても、子どもたちの心の成長に不可欠な出し物披露だけは実施したいと願ってきました。
そして、学童の指導員さんや役員さん、地域の方のご理解とご協力のお陰で、8月29日(土曜日)の19時から近くの広場で披露会が開催できることになりました。出演する子の家族は大人は各家庭2名まで(兄弟は人数に関わらず全員観覧可)、出演しない学童の子の家族は親は1名、子ども1名までと、観覧人数を絞っての実施でした。「この時期に密になるイベントはダメ」といえばそれまでだったかもしれません。でも、子どもたちの想いを叶える形で実施してくれたことにとても感謝しています。
子どもたちもとてもよくがんばりました。密にならないように練習したり、暑い中マスクをつけて練習したりと、例年にはない苦労がたくさんあった練習だったと思います。また、娘の場合は6年生という立場での最後の夏の出し物披露で、音楽選びや振付や四年生や五年生に技を教えたりと、これまで以上に責任のある立場での練習で、とても大変だった様子でした。これまでにはなかった家での準備も念入りでした。音楽を繰り返し繰り返し家で流して、イメージトレーニングのようなことをしたり、歌詞を耳コピーで書き出したりしていたこともありました。
学童だけでなく自宅でも沢山の時間を注いで迎えた、披露当日の記録です。
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2020年8月29日(土曜日)
出し物披露の当日の朝。
娘は、最後にみんなで振付を合わせると言ってお弁当を持って学童に行きました。
お弁当のメニューは
- 私作:牛丼
- 娘作: 野菜の肉巻き(ピーマンの肉巻きと、にんじんの肉巻き)、卵焼き、アスパラのバター焼き
でした。
これらを保温の弁当箱に自分で詰めて持っていきました。牛丼メインにおかずの数々。最近本当によく食べます。
そして、娘にとっては自分で自分のお弁当を作るのも、出し物披露の当日の「自分のやるべきこと」に組み込まれている感じで、とても頼もしく思いました。
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朝から15時まで学童で練習し、15時すぎにいったん家に帰ってきました。当日の練習が15時までというのは前々から決められていたことでした。当日に直前まで練習して疲れすぎないようにとの指導員さんの配慮で決められた時間でした。
土曜日ということで習いごとがある子が多く、朝から15時までずっといたのは娘ともうひとりの2名だけだったそうですが、一番人数が揃った時間帯には10人中8人が参加して最後の調整をしたそうです。
15時すぎに一旦帰宅した娘。「出し物披露」は19時から、「子どもたちの集合時間」は18時だったので、娘は出かけるまでに3時間ほど時間がありました。その間、娘はいつも通りマインクラフトをして過ごしていました。
金曜日の夜に「緊張している」と言っていたので、マインクラフトをしつつも今も緊張しているかなと思いましたが、そっとしておきました。
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17時45分、娘は家を出ていきました。
「頑張ってね。あとから行くね」と、夫婦で玄関で見送りました。
「うん。みんなで見に来てね」といって、娘は出かけていきました。
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18時40分。私たちも家を出ます。
夕方に息子が眠くなってしまわないように、土曜日は昼間にしっかりお昼寝をさせました。息子ははじめ「眠くないから昼寝はしない」といっていましたが、「姉ちゃんの出し物披露を集中してみるためにはどうしたらいい?」と聞いたら「寝るほうがいいだろうね」などと大人っぽく一人前に言って、たっぷり2時間半昼寝してくれました。
出かける前に「姉ちゃんの大事な大事な披露会だから、絶対に声を出しちゃダメだよ」と何度も言い聞かせました。息子は「わかってる。音の邪魔になるもんね」と言っていました。これまでのキャンプには毎年息子も参加しています。去年までの様子をしっかり覚えているようでした。
もしももしも披露本番で演技に失敗があっても、ここまで取り組んできたプロセスの方がずっと大切です。どんな結果になっても「よく頑張ったね」と言ってあげようと決めていました。それでもやっぱり、これまで夏のほとんどの時間を練習に注いできた娘や娘の仲間たちのことを思うと、可能ならばひとりも失敗なく最初から最後まで魅せられる演技ができますようにと願って、家を出ました。
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19時。出し物披露の本番。
時間通りに出し物は始まりました。
シーンとした暗闇に、子どもたちが出てきて、自分の位置に立ちました。最前列の真ん中、いわゆるセンターは、娘でした。センターをつとめるなんて全く聞いていなかったので、驚きました。
自宅で何度も何度も何度も何度も娘が聞いていた音楽が流れ始めました。
みんなの動きは一糸乱れず、とても素晴らしい演技でした。演技の間、娘は終始、まっすぐ前を見て、キリリとしていました。
ここで文章にまとめることはなかなか難しいですが、音と光の共演で、本当に素晴らしい演技でした。
演技が終盤に差し掛かった時、私の心の中に「この子たちはもう大丈夫。立派に大きくなった。これから先何があってもきっと大丈夫」という言葉が浮かんできました。
これまでにも「大きくなったな」と想ったことはありましたが、「もう大丈夫」と私の手を離れた感覚を持ったのは、娘を産んで初めてのことです。まだ小学生なので、これから先もいろんな成長があるでしょう。それでも目の前に立つ娘は、自立していて、とても大きく育っていて、ひとつの区切りのように思いました。
演技は大成功で終わりました。いっぱい拍手をしました。
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演技の後に、6年生4人に「感想をひとことずつ」と言ってマイクが向けられました。
娘は「本番もみんなでうまくやれてよかったです」と答えていました。
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土曜日の夕食時、
- 全員の身長のバランスを考えて娘がセンターになったこと
- いつも間違える振りのところは気を付けて間違えずにすんだけど、一か所振りを間違えてしまったこと(あとから動画を見ても私たちは全然わかりませんでしたが)
- 六年生になるまで分からなかったけど、音楽を決めたり振付を決めたりするのはかなり大変だったこと
- やり切った想いがあること
を娘から聞きました。
夫が撮ってくれた動画を夕食後にみんなで見ました。「本当によく頑張ったね」と何度も言いました。
息子はややすねていたので、息子にも「しっかり静かに見れてえらかったね。お昼寝もできてえらすぎるよ」と言いました。「ぼくが披露するとかもみんなで見にきてよ」と言っていました。
娘にとっての夏が終わりました。コロナ禍でとても大変な夏だったと思います。でも、立派に形にしたことで、またひとつ大きくなった娘を頼もしく思います。
私の子育て修行の日々をいつも見守ってくださりありがとうございます。いよいよ明日からは2学期本番。短い夏の終わりです。