ここ数日は、単に勉強できるということではなく、社会人になってからのことを見据えた子どもの育ちについて考えています。
昨日までのブログはこちらです。
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今日は、happit (id:happy-it) さんからのコメントをご紹介します。happitさんは、Z会を活用しながら息子さんと二人三脚で中学受験に向かわれているママさんです。中学受験の際には親や先生主導になりがちというコメントをくださいました。もしかしたら同じ悩みを抱えていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
happit (id:happy-it)
長男の中学受験勉強にガッツリ関わっている身としては耳の痛い話です(汗)中学受験は一部の超優秀なお子さんを除いてはどうしても塾や親主導になりがちだなと思います。我が家でも最近はTODOから勉強のやり方まで私が考えてしまっていて、どうしたものかなと悩んでいるところです。本当は、中学受験という本人にとっての最大のテーマで、もっと小さな失敗をたくさんさせてあげたいのですけどね。中学受験に関しては子供の成長度合いと課題のバランスが悪いような気がしています。
こちらの記事を読んで、何かできることはないかと考えてみたのですが、親が試行錯誤している姿を見せることも大事なのかなと思いました。研究職ママさんも言及されていますが、勉強以外でも試行錯誤はできるので、中学受験に関しては、親が悩み、考え、試行錯誤する姿をみせていきたいです。
中学受験生のお子さんを抱えていらっしゃるご家庭は、なかなか難しいですね。小学生自身が考える能力が十分育っていない面もあるでしょうし、ある程度は道を整えなければ受験に間に合わないという面ももしかしたらあるかもしれません。
もともと私がこのシリーズのブログを書き始めたのは、教育を専門としている方と話しをする機会を得たことがきっかけでした。その方は、小学生から高校生までの学習指導をしていらっしゃる方で、短期的な成績向上ではなく将来に向けて伸びて行くことを重視した指導をされている方です。 お話しさせていただいた時、その方は「中学受験の目的を何に置くかということがとても大切だ」ということをおっしゃっていました。
今日はその時に伺った話を書きたいと思います。
単に中学に合格することを目的とするのであれば、とにかく知識を詰め込んで短期的に成績があがる方策をとる方法もあるかもしれません。ただ、そういう子の一部は中学に合格したとたんに燃え尽きてしまう場合もあるそうです。
中学に入学後もその中学の中でトップ層にいたかったり、仮に中学入試が残念な結果だったとしても高校で挽回していきたいのであれば、ただただ親や塾が勉強を詰め込むのではなく、自分の意志で勉強できるように促していく必要がある、と。
自分の意思で勉強できるようになるということは、すなわち、だんだんと自分で勉強方法も考えていくということになります。それが、これまで書いてきた「高校までの勉強」と「社会に出てからのこと」のギャップを埋めることにもつながっていきます。
ではどうすれば自分の意思で勉強できるようになるのか?
その方がおっしゃっていた方策をいくつか書きます。
- まずは、例えば一週間の勉強を自分で計画するところからはじめてみる。(我が家の場合も高学年からは自分で計画をたてています。週末の勉強はなしにしておいて、計画通りにやれなかった分は週末にやっています。)
- 「今日は何の勉強をやればいい?」という状態であれば、「何をやる?」と聞くところからはじめてみる。与えられるのではなく自分の意思で勉強に向かうことが大切。まずは小さなことからイニシアティブを子どもに与える。「どこまでやったら休憩する?」とか「今日はどの教科からやる?」とかでもいい。
- 「これわからない」と持ってきたら、例えば算数や理科の場合なら、全部を教えるのではなくてきっかけだけ与えてあとは自分で考えさせる。1時間でも2時間でも自分の頭で考えることで思考して解くことができるようになる。「これわからない」と持ってきたのが、社会の場合には、「これに載ってるから、探してみてごらん」と声掛けして、できるだけ資料集や参考書などを使って自分で調べるようにする。はじめはなかなか自分で調べられないかもしれないので、その場合は、親も一緒になって調べる。中学・高校と学年が上がっていくときにもどんどん勉強は難しくなるので、分からないときは調べればいいんだと学べることが大切。
- 国語の場合は、解けた問題でも、他の選択肢はなぜだめなのかを親子で話してみる。どうしてこれを選んだの?と聞いてみる。対話の中で思考力が育って行く。
3点目に関しては、満月ママさんのページに以前こんな内容が載っていました。
「どうだった?質問はできた?」
すると、意外な言葉が返ってきた。
「うん!できたよ。でもね、K先生はね、他の先生と違っててね。
ヒントっていうか、途中まで教えてくれるの。
それで、『はい。満月、ここまでだ。
もう一度自分で考えて頑張って解いて持ってくるように』
って。
でもね、なんか解けそうな気がしたんだよね。
『もう少しだから頑張りたいって。行けそうだ!』って。
だからパパに電話して残って解いてたんだ」
そういう展開になったのかと驚く。
「そうだったの。それで解けた?」と聞くと、ノートを開いて
「うん。これとこれは解けて先生にもチェックしてもらったんだよ!!
この問題は塾が閉まっちゃう時間になったから、明日持っていくよ!
すごくない!先生にも『その通り!』って褒められたんだ」
と、娘はとても嬉しそうだった。
今振り返ると、これが娘における大きな転機だと思う。
すべてを教えるのが先生としても楽かもしれません。でも、子どもは分かったつもりになるだけで、いざ自分で考えて解こうと思うと解けないことも多いと思います。なにより、何か困難な問題に対面したときに、「先生/親に聞けばいいや」と思ってしまう子どもに育ってしまうだろうと思います。でも、先生や親はずっとそばにいるわけではなく、自分で自立して、自分で試行錯誤しながら生きていかなければならないのですから、自分の頭で考えるようになる必要があります。こうやって「もう一度自分で考えて頑張って解いて持ってくるように」と言ってくださる先生は、本当にその子の成長を考えている方だと思います。仮に中学受験が残念な結果だったとしても、こうやって自分で考えて勉強した時間はけっして無駄にはならないし、必ず自分のことを支えてくれる経験になるだろうと思います。
私自身は中学受験は悪いことではないと思います。中学受験を通じて学べることはたくさんあるだろうと思うからです。ただ、そのためには、「中学受験を通じて本人が多くを学べる」ような取り組み方をすることが大切で、周りの大人の関わり方が重要だろうと思います。
中学受験から学べるものはさまざまだと思います。こちらのブログの「でもね、名前を呼ばれると、人は気分が良くなるものなんだよね。とても大切なことなの。」を読んだ時も、「なるほどなぁ。こういうきっかけで生き方を伝えていくのか」と感心しました。おそらく中学受験は多くのきっかけを得る場なんだろうと思います。
「中学受験は合格だけが目的だよ」と思われる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。でも、人生は長いです。とてもとても長いです。その人生の中で、本当に身につけないといけないものが何かを考えれば、それは単なる合格ではないように思います。中学受験を通して身につけたいものが何かを、まずは親子で共有して、それに向かっていくと、中学受験も良いものだと私は思います。
これは中学受験だけではないですね。高校受験にも同じことが言えると思います。合格だけが目的なのでは決してないと思います。そのプロセスで本当に自分で学べる力を身につけることの方がずっとずっと大切だと思います。
我が家の場合は中学受験はスルーしたので、勉強に関してはここからですね。
今日も読んでいただきありがとうございます。明日もみなさんからのコメントをご紹介します。