子どもの頃の話です。
実家のそばの商店街に「いちごやさんのおばちゃん」がいました。
店舗があるわけではなく、お店とお店の間のスペースに小さい机を出して、いちごだけを売っているいちごやさんです。
前を通り過ぎると、いつもひとつ食べさせてくれるので、それがとっても楽しみでした。
大きくなってわかったことですが、近くの島に住んでいる方で、毎朝いちごを取って、私の実家のそばの商店街まで売りにきてくださっていたとのこと。
今は商店街が寂れてしまって人通りが少なくなってしまったので、商店街のいちごやさんもなくなりました。その代わりに、馴染みの家を車で回って売ってくれます。
私が小さい頃にはすでに「おばちゃん」だったので、今はもうすっかりおばあちゃんですが、しゃきしゃきした感じは昔と変わりません。
中まで真っ赤で大きくてとても美味しいいちごでした。
姪っ子と甥っ子とうちの子どもたちと、みんなで分け合って食べました。
来年もいちごやさんのいちごをみんなで食べられますように。